縁上歯石と縁下歯石の違い
こんにちは!おとなとこどもの経堂歯科です。
今日は縁上歯石と縁下歯石についてお話します。
歯石には縁上歯石(歯茎より上歯の部分についてくる)と縁下歯石(歯周ポケット内の歯の根っこの部分についてくる)があります。
〈歯石とは〉
不十分なブラッシングによりプラーク(歯垢)が長時間、歯の表面についている時に唾液に含まれるリン酸やカルシウムがプラークに沈着して石灰化し、硬くなったものが歯石です。歯石の種類は2つに分けられます。歯と歯肉の上についてくる歯肉縁下歯石と歯周ポケット内についてくる歯肉縁下歯石に分かれます。
〈縁上歯石と縁下歯石の違い〉
①縁上歯石
主成分は唾液中のカルシウムで作られており黄色または乳白色をしています。付きやすい場所として下の前歯の裏側と上の臼歯(奥歯)の頬側です。唾液の出る唾液腺が近いところに縁上歯石は付きやすくわずか2日でプラークが歯石になることがあります。コーヒーやタバコの色素が付きやすく褐色に変色することもあります。また表面がザラザラしているのでその上にさらにプラークなどが付きやすくなり悪循環を引き起こします。また、縁下歯石に比べると形成されるスピードが早いので注意が必要です。
②縁下歯石
縁下歯石は歯茎からでる浸出液を由来とする成分とプラークが硬くなったもので血液成分を含むため黒褐色をしています。また縁下歯石は縁上歯石とは異なり歯肉下(歯周ポケット)に付着し形成速度は遅いですが密度が高く固着力が強いため除去が困難になります。歯肉縁下歯石は縁上歯石より硬く、歯の根っこ部分に強く付着した歯石は歯肉を刺激し、歯肉の腫れや歯肉退縮(歯肉が下がること)が起こることがあります。さらに縁下歯石を放置してしまうと歯を支えている顎の骨も溶けてしまい、歯がぐらぐらしてきてさらには歯が抜けてしまう歯周病(歯槽膿漏)の原因となります。そのため歯肉縁下歯石を取り除くことは歯周病予防のとして非常に重要になります。
〈歯石取りの種類〉
①スケーリング
スケーリングとは歯石を取り除く一般的な処置のことです。主に超音波スケーラーや手用スケーラーを使用して歯石を取り除きます。
②ルートプレーニング(SRP)
歯周ポケットの奥深くにある歯石を除去する処置をルートプレーニングと言います。歯石を取りながら歯周病菌に汚染された歯のセメント質を取り除き歯面を滑沢にします。そうすることで歯の汚れの付着が起こりにくい表面正常に変化させます。
③フラップ手術(歯周外科手術)
フラップ手術は歯石を取り除く外科手術のことです。ルートプレーニングのを行なっても歯肉の改善が認められない場合に行われます。歯肉を切開し歯石がどのくらいの量が付着しているのか、どの部分まで広がっているのかなど直接目で確認することが可能です。
歯石について皆さん理解していただけましたでしょうか?クリーニングや歯周外科手術をしたからといって歯石がつかなくなったり、もう歯周病にならないというわけではありません。日々のセルフケアや歯科医院での定期検診やクリーニングがとても大切になります。
お困りの方はぜひおとなとこどもの経堂歯科までご相談ください♪