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2024.05.13

喫煙による歯肉の変化

「歯茎の色が黒くて気になる」や「子供の歯茎が黒くなってきた」とお悩みを抱えている方はいませんか?

これは喫煙や受動喫煙によりメラニン色素が活性化され、歯肉の色が黒変した結果と考えられます。

 

喫煙は歯周病に大きく関係します。全身的な健康被害の最初のサインが歯肉の黒変として口腔内に現れます。さらに、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の罹患は6,5倍、歯の喪失は3,24倍となるなど、喫煙は歯周病のリスクファクターの筆頭と考えられます。また、女性の喫煙、受動喫煙は妊娠、出産の過程においてもさまざまな影響を及ぼします

そもそも喫煙には①能動喫煙 ②受動喫煙があります。

【能動喫煙】

喫煙は平均寿命を10年も短くしてしまうほど甚大です。喫煙本数は1日10本以上がハイリスクとされており、歯や歯肉、インプラントにまで悪影響を及ぼします。

【受動喫煙】

非喫煙者でも近くに喫煙者が居れば、タバコから直接吸い込んでしまう(主流煙)だけでなく、タバコから立ち昇る煙(副流煙)や喫煙者が吐き出す(呼出煙)を吸うことです。

タバコの煙に含まれる発がん性物質は主流煙よりも副流煙に多く含まれています。特に、室内、自家用車内での喫煙や衣服に付着した有害物質の三次喫煙は身近な家族の健康に悪影響を及ぼします。電子加熱式タバコも燃焼式タバコ同様、大量のエアロゾルを呼出して受動喫煙を引き起こすので、煙が出ないからと言って安心はできません

受動喫煙による口腔内への影響としては成人においては歯周病と歯の喪失のリスクを30%高め、小児のう蝕にも関連するとされています。

 

※今すぐ禁煙を!!

喫煙を始める年齢が若ければ若いほど、がんや循環器疾患の発症リスクを高めるだけでなく、死亡率が高くなることも分かっています。これらから、喫煙は「予防できる最大の死亡原因」であると言われています。

本気で歯周病を治したいならまず、禁煙を!

禁煙をしなければ、歯磨きを一生頑張っても、歯医者に頻繁に通っても歯周病は治らない!

長年タバコを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありません。禁煙は性別、年齢、喫煙による疾患の有無を問わず、すべての人々に大きくかつ、迅速な健康改善をもたらすと報告されてます。また、30歳までに禁煙すれば、非喫煙者と同様の余命が期待できるとも報告されています。

喫煙による歯肉のメラニン沈着

喫煙時の口腔内乾燥、高熱、ニコチンなどの直接的作用によりメラニン沈着が引き起こされるます。

表出するのに約1年かかり、禁煙によって消失するのに3年かかるとされています。禁煙によって、色素沈着が軽減するのはマクロファージがメラニンを貪食して、メラノファージとなり、メラニンを処理するからです。

小児における歯肉のメラニン沈着

小児の歯肉のメラニン沈着は受動喫煙の影響です。

日焼け、喫煙者との同居年数、頭髪の色、口呼吸、年齢が小児のメラニン沈着の要因となりうると言われています。また、口呼吸は歯肉粘膜の乾燥を引き起こし、これにより、メラニン生成が活性化される可能性があります

喫煙による全身への影響

ニコチンには末梢血管を収縮させ、血圧を上昇、心臓の収縮力を高め、心臓に負担をかける作用があり、長期的には動脈硬化を促進します。その結果、脳卒中や狭心症、心筋梗塞を引き起こしやすくなります。ニコチンは喫煙により肺からすみやかに吸収され、全身に広がります。

タールはタバコの煙に含まれる粒子状物質でタバコのフィルターに茶色く付着する物質です。タールには数10種類の発がん性物質が含まれます。

一酸化炭素は血液の酸素運搬機能が阻害され、組織の酸素欠乏を引き起こします。

タバコには全身に影響を与える多くの有害物質が含まれます!!

自力での禁煙が困難な場合は禁煙外来を受診することをおすすめします。

 

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