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2021.10.15

歯磨きによる清掃の限界とプラークコントロールの本質、フッ化物配合歯磨剤の年齢別使用料について

〜歯磨きによる清掃の限界について〜

臼歯部咬合面の小窩裂溝の形態や、大きさ、深さには個人差があります。
一般的に裂溝の直径は20μmくらいに対し、歯ブラシ1本の毛先の直径は0、2mmであるため、歯ブラシの毛は裂溝の中に入りません。
また、細菌は1μmくらいで裂溝の中に多数生息しているので、小窩裂溝は清掃不可能部位と言われています。
このようなことから、10分間以上時間をかけてもブラッシングだけのう蝕予防には限界があるのです。

 

 

う蝕は、
①う蝕原因菌 ②糖質 ③歯、唾液
といった、3大要因により発生します。(時間を加えれば4大要因になります。)

①う蝕原因菌→歯の清掃
②糖質→糖質の適正摂取
③歯、唾液→フッ化物応用
といったような、それぞれの要因に対する予防手段はありますが、どれ一つとしてパーフェクトなものではないのです。

歯の清掃の限界は、前述の通りですし、糖質にしても3大要因の1つですので全く摂取しないわけにもいきません。
フッ化物応用にしても100%う蝕を予防できる訳ではありません。
したがって、全ての要因にアプローチしてう蝕予防に取り組む必要があるのです

 

〜プラークコントロールの本質について〜

プラークコントロールでは、
①形成抑制
スクロース、食間・粘着性甘味飲食物の摂取コントロール、十分な清掃、抗菌剤の利用、代用糖の利用
②病原性低下
フッ化物や抗菌配合歯磨剤や先口剤の利用
③除去
専門家による清掃、家庭での十分な清掃、デンタルフロスなどの利用、歯磨剤や洗浄剤の利用

などがありますが、この3つのコントロールをしても、完全なものにはなりませんので、全ての面でアプローチする必要があります。

〜フッ化物配合歯磨剤の年齢別使用量について〜

1970年代から80年代に世界の先進国では、フッ化物配合歯磨剤のシェア(全歯磨剤に占めるフッ化物配合歯磨剤の割合)が90%以上に達しました。
その後から急激に12歳児のDMFT(中学1年生の永久歯のう蝕数)が減少するという現象が観察されました。
当時、日本のシェアは10%にとどまっており、世界の先進国に大きく遅れをとる形となっていましたが、その後シェアも上昇し90%に達し、日本でも12歳児のDMFTが減少するという共通の現象が見られています。
このように、フッ化物配合歯磨剤は日本の子供達のう蝕減少にも大きく貢献しているのです。

年齢によるフッ化物配合歯磨剤の使い分けの目安についてです。
6ヶ月(歯の萌出)〜2歳→切った爪程度の少量
3歳〜5歳→5mm以下
6〜14歳→1cm程度
15歳以上→2cm程度

このように、それぞれの年齢に合わせた量を使用するようにしましょう。

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